「もっとも勾配に強いのは人間の足である」
多くの交通手段が「タイヤ」や「車輪」を用いていますよね。実はそれらって坂道にめっぽう弱いんですよ。
つまり、道路も鉄道も基本的にできるだけ山の上じゃなくて平地を通りたいんです。
日本一の勾配路線・小海線に乗ってみた
東京都心から約1時間半、山梨県は小淵沢駅。
ここから延びる「小海線(こうみせん)」はきつい坂道を走る路線の一つです。
山梨から長野佐久平(さくだいら)方面へ抜けていく。小海線はその道中に名峰・八ヶ岳を越えます。そりゃもう勾配がやばいのなんのって。
どれだけ厳しい坂道かというと……その路線のテッペンがJR路線の最高地点になるくらい!
JR最高地点の駅「野辺山駅」に到着
キツイ登り勾配に喘ぐディーゼルエンジンがフッと軽くなる場所、そこがJR最高地点の駅「野辺山駅」です。
長野県南牧村野辺山。
八ヶ岳の麓に位置するこの素朴なまちは、とにかく空気がきれいでとにかく寒い。それもそのはず。野辺山駅の標高は1,345.67mなのだ!
東京スカイツリーでいえば約2つ分の高さにあたります。小海線はその標高まで毎日上り下り。やばいね。
レンタサイクルで「真の最高地点」へ
ただし、野辺山駅はJR最高地点の「駅」であって最高地点そのものではありません。野辺山駅は駅としては最も標高が高いんですけど、線路の最高地点は別の場所にあるってこと!
そして、少し離れた「真の最高地点」までレンタサイクルで向かうことに。自転車は思いの外簡単に借りれるのと、徒歩では厳しいなと判断したので。
よくわからない看板やら、
よくわからないモニュメントの間を駆け抜け、
どーん!
どーん!!
こんな立派な立て看板が。さすが最高地点ですね。
『鉄道神社』なる神社もある。
こちらは有志の方が建てた神社で、実際の車輪とレールを祀ってます。なんだここすげえ。
最高地点の標高はなんと1,375mです。快晴なのに寒いのにも納得だ……
で、肝心の最高地点は……
こう言っちゃなんだけど普通の踏切です。
いやでも乗ったらわかりますよ!この踏切からエンジンの音がフッと軽くなるんですよ、マジで。
写真でお気づきかもしれませんが、実は最高地点のすぐ横に喫茶店があります。
その名も『レストラン 最高地点』。
このレストランのソフトクリームが絶品とのうわさを聞きつけてはいました。だけどさ、最高地点と名乗るからにはお高いんでしょ?
と、思いきや定価300円でした。安いな。
野辺山で放牧された牛のミルクを贅沢に使用した逸品。
JR最高地点を眺めながら最高のソフトクリームを食べる、全国でも野辺山でしかできない体験……!
『国立天文台 野辺山宇宙電波観測所』を見学する
JR最高地点を見学してテンション上がりまくりのぼくは、田舎道をめちゃくちゃなスピードで走行し、こんなところにやってきました。
でーん!
でーん!!
ここは『国立天文台 野辺山宇宙電波観測所』。
野辺山は「周りを山に囲まれた標高の高い平坦地」です。そういう土地には「乾燥していて雪が少ない」との特徴があります。
そんな気候は電波観測に最適であることから野辺山に白羽の矢が立ったのだとか!
土地が広く家もまばらだから、電話やPCといった電化製品の電波干渉も少ないんでしょう。いいことずくめだったわけか……。
一番大きいのはこの『45m電波望遠鏡』。
写っている人と比べてもらったらわかるだろうけど、サイズと迫力がすごい。
JR最高地点のまちから宇宙へ。なんともロマンがありますね。
そんな妄想がはかどります。
(コフンねこ)