まだ、日本にも寝台特急が走っていることをご存知でしょうか。
「そもそも寝台特急とは何だ?」と思われる方も多いんじゃないかな……
すごく簡単に言うと、夜、横になって寝ながら移動できる特急列車のこと。寝台とはつまりベッド。夜行バスと違って椅子じゃないってのがポイントです。
やっぱり夜行バスってしんどい時もあるじゃないですか。めっちゃ便利だけど、イスを倒すにも後ろの人に気を遣うし、揺れも気になる。そして完全に横になれるわけじゃない。
その点寝台特急って「良い」ですよね……!
一昔前の日本では様々な方面へ寝台特急が走っていました。まるで現在の夜行バスのように。
語りだすと止まらないのでここでは言及を避けますが、今残っているのは寝台特急サンライズ瀬戸(東京⇔高松)と同サンライズ出雲(東京⇔出雲市)のみです。
唯一の寝台特急は毎日走っている。神。
二つの”サンライズ”は岡山で連結・切り離しを行います。で、東京方面の上り列車のみ、僕の住む大阪に停車する……!
激安『ノビノビ座席』
基本は個室のみで構成されている寝台特急サンライズ瀬戸・出雲ですが、7両につき1両だけ(5号車と12号車)、『指定席扱いの雑魚寝スペース=ノビノビ座席』が用意されています。
これ、マジで激安。
寝台特急への乗車には基本的に運賃+特急料金+寝台料金がかかります。
最もポピュラーなB寝台シングル個室の通常価格は大阪→東京で19,220円です。かなりお高め。
B寝台シングル個室。鍵付きドアを備えた完全なる個室だ。
新幹線で大阪↔東京を移動すると指定席で14,450円、グリーン車でも19,230円です。
やっぱり寝台特急ってちょっと敷居が高い。新幹線のグリーン車より高いんだもん。激安の夜行バスに比べたらちょっと手が出にくいかな、と。
ところが雑魚寝のノビノビ座席は運賃8,750円+特急指定席料金3,430円=12,180円。
しかも、どの夜行バスよりも大阪を遅く出発(0:34)して、新幹線の始発より早く東京に着けるんです(7:08)。
そのうえ、(周りが少し気になるとはいえ)横になって睡眠可能。
最高じゃない?
『ノビノビ座席』を使ってみた
てなわけで『ノビノビ座席』を利用しました。
切符の購入は簡単です。大学の生協でも(切符が買えるところなら)買えちゃいます。
「〇月□日に東京に到着する寝台特急サンライズの△△(ノビノビ・ソロ・シングルなどの個室or座席タイプ)の切符お願いします!」
と伝えるだけ。
その切符を持って駅に向かいます。
12月1日、日付をまたいですぐの大阪駅。
しばらく待っていると……
7両+7両の14両編成でやってくる。大阪近辺では在来線最長の編成だ。
やってきました。寝台特急サンライズ瀬戸・出雲-東京行の到着です!
これが最安、ノビノビ座席DA!
寝静まった時間には撮れないので、これは使用後。毛布はもう少し丁寧に畳まれているものと思ってほしい。
仕切りは頭部分のみ。貴重品の管理に注意。枕は備えていない。
通路に対してはカーテンで仕切りを設けることができる。通路を歩く際は静かに!
電源スイッチとアメニティのコップ。
先ほどのスイッチを押すと照明が点く。
こちらは読書灯。
カーテンを閉めると外からの光はほぼ入ってこない。
床は正直硬い。フローリングで寝てしまったときのあの感じ。
個室タイプのほうがそりゃ快適だけど、横になって寝られたら十分です。
どうしても寝られないときは……!
イスとテーブルが置かれた「ロビー」で休むのもありかも!(この時は仕事してました)
気づけばあっという間に終点・東京着。
東京駅8番線。回送列車としてすぐに出ていくので、早めに降りる準備を。
寝台特急サンライズは静岡や熱海や横浜にも停車します。
特に、熱海で降りて普通電車に乗り換えてお隣の湯河原まで向かい、超有名ラーメン店の「飯田商店」さんの整理券1番をゲットする……ってのはラーメン好きの方なら一度はやりたい芸当かと。
東海道線沿線のいろんな場所での観光やビジネスに便利です。是非一度は寝台特急サンライズ瀬戸・出雲を利用してみてくださいね。
(コフンねこ)