日本では2020年7月1日より「レジ袋の有料化」が始まりました。
たしかに、レジ袋の削減はプラスチックごみの削減につながるものです。環境にやさしい。
でも、けっこう反対意見が出てるんですよね。その理由としては、プラスチックごみ全体に占めるレジ袋の割合の少なさがよく挙げられます。
レジ袋有料化ってホントに正しいの?有料化は正しい判断なの?
海と湖のプラスチックごみの実態から考えてみました。
「レジ袋ゴミは少ない」ってマジ?
レジ袋有料化に対して寄せられる反対意見の根拠として、プラスチックごみ全体に占めるレジ袋の割合が非常に少ないことがよく挙げられています。
結論から言うと、レジ袋ゴミの割合の話は一面的には正しくて、もう一面的には正しくないんです。
レジ袋有料化にかんする資料の中で環境省が自ら認めている通り、プラスチックごみ全体に占めるレジ袋の割合はわずか2%と言われています。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000686969.pdf
毎日新聞が挙げている上のデータの通り、ホントに少ないんです。レジ袋のゴミって。

ただし、ここで少し冷静になっていただく必要があります。画像のグラフは重さベースの分析なんですよ。そう、プラスチックごみ全体の「重量」に占めるレジ袋の割合は確かに少ない。
でも多分、みなさんが日常的に捨てるゴミの「個体数」で見れば、レジ袋(やペットボトル)の総量はとても多くなるわけです。
ぼくたちが日常的に捨てるゴミ、もっと言えば日常的にポイ捨てされてしまうゴミとしては、レジ袋って結構多いんじゃないかなって思います。
海洋・湖沼のプラスチックごみ
では実際、レジ袋はどれほどポイ捨てされているのでしょうか?ポイ捨ての状況を知るには、海洋や湖畔に漂着または沈殿したゴミのデータを探るべきです。
まずはコチラの動画から。
漁の網には魚だけでなくレジ袋が結構引っかかっていることがおわかりいただけるはずです。
続いてコチラの記事を。

琵琶湖にはかなりの量のレジ袋が沈んでいるようですね。
それもそのはず。こちらのデータをご覧ください。少し古いものですが。

これはゴミの個数で分析したデータです。レジ袋、めっちゃ多いじゃん。
しかも、こうしたレジ袋のゴミはマイクロプラスチック(プラスチックの微細な破片)になりやすくて……。魚が餌のプランクトンと間違って一定量食べちゃうと、その魚は死んでしまうんですよ。
レジ袋有料化は正しい選択なのか?
自然環境におけるプラスチックごみの「個体数」の割合でみると、レジ袋がかなり多いことがわかりました。
なるほど、レジ袋有料化はこうした「ポイ捨てプラスチックごみ」を減らすいい方法かもしれません。
いやー、でもホントにそれでいいのかなって感じです。レジ袋を有料化するよりも、ポイ捨てを極力防ぐような政策のほうがよかったんじゃない?
っていうか、いくら町中のゴミ箱が減っているからってポイ捨ては本来ダメな行為です!自然環境は破壊され、魚が死んでしまうので。
なのに、ポイ捨てする人もポイ捨てしない人も平等にレジ袋が有料化されてしまうわけですよ。
じゃあ、ポイ捨てする人に罰金とか、ゴミ箱を各所に設置するとか。いろいろ方法は思いつきます。
忘れ物の多い自分は「ポイ捨てする人」のせいで始まったレジ袋有料化にめっちゃ悩んでます。そういう人、多いはず……。