「モンゴルが攻めてきた!」と聞くと、「大相撲の話?」と返してしまいそうな今日このごろ。
マジでモンゴル人力士ぱねぇっすもん。強すぎるもん。
かつて、そんな強いモンゴルのみなさんが鎧を着て武器を持って日本に攻めてきたことがあります。鎌倉時代の出来事、教科書に出てくる「元寇」「蒙古襲来」です。
蒙古襲来絵詞
海を渡ってやってくる強い武装集団から日本を守るには、そもそも上陸させなきゃよくね?
タイトルに挙げた「元寇防塁」はそういう目的で作られた石垣みたいなもんです。結論からいうと、元寇防塁があるところからは誰一人上陸できなかったとか。
蒙古襲来絵詞
でね、今でもそんな元寇防塁が残ってるんです。九州の北のほうに。しかも、あの大都会・博多だの天神だのから「電車一本で」見に行けちゃいます。是非一度見に行っていただきたいので紹介させてください。
地下鉄から直通してます
九州一の規模と人口をもつ福岡県福岡市。新幹線がやってくる博多や繁華街の天神など、個性ある大きなまちが密集するすんごいまちです。
福岡の中心は大都会なもんで、交通がめっちゃ便利なんですよ。交通の便の良さでは日本一かもしれません。というのも、その地下鉄がスーパーハイスペック。
さっき述べた博多と天神をはじめ、市内の主要スポットはほとんど福岡市地下鉄地下鉄・空港線でつながっています。その名の通り福岡空港もつながってます。空港と繁華街が地下鉄でつながってるなんて、日本中探してもここだけじゃないかな……?
しかも!
その地下鉄、JRと直通してるんです。福岡空港から佐賀県まで行っちゃうんです。福岡市の地下鉄なのに。
(言っちゃ悪いけど)田舎の無人駅まで福岡市地下鉄から電車が来る
ほんでね、繁華街から乗れる地下鉄でズガーンと突き進むと、「元寇防塁」のすぐそばまで行けちゃいました。
駅からもそこそこ近い
今回は地下鉄からJR線に入って1駅、福岡市内のはじっこに近い「下山門駅」で下車しました。
良い写真じゃありませんが下山門駅です
元寇防塁ってのは元々かなり長~くて昔は20㎞くらい続いていたらしいんですけども、いまは一部だけが散在しているような状態です。要はとぎれとぎれ。
いろんなとこに残ってるなかでオススメしたいのが、「生の松原元寇防塁」です。JR下山門駅からだと歩いて10分もかからないんじゃないかな。しかも綺麗な松原のなかを散歩してたらいきなり防塁が出てくる感じで、道中も苦じゃありません。
大迫力の元寇防塁
下山門駅から歩くこと10分。見えてきました、元寇防塁。
でーん!
荒っぽく、それでいて繊細に石が積まれています。高さはおよそ3m。小学生2人分の高さです。
残念ながらこの立派な防塁は復元。ただ、本物も見れます。
松原の地面をよーく観察すると、土がモコッとなってるんです。さらに注意深く「モコッ」を見ると、石が顔を出してたりする。この地面に埋まってるのが本物の防塁でございます。
今は埋まっちゃってるけど……
元寇、つまりモンゴルは日本に2回ほど攻めてきました。1回目は文永の役、2回目は弘安の役っていいます。
実はこの1回目のとき、日本はモンゴル軍の強さに戦慄しちゃったんです。
当時の日本の武士は合戦であっても基本は個人プレイで戦っていた一方で、モンゴル軍は集団戦法を使ってました。武器も日本人は刀とかそんなんで、敵は毒矢とか火薬。体格差もある。
それでもなんとか1回目の襲来を切り抜け、「2回目が来たらヤバい」とかなってる間に鎌倉幕府は思いついたわけです。
「上陸させなきゃよくね?」って。
そういう経緯で、元寇防塁こと石築地が造られました。
結果は大成功。弘安の役でも激しい戦闘は避けられなかったようですが、それでも相手軍を誰一人侵入させなかったのはスゴイ。
……いや遅いだろうと。1回目で十分にそなえておけよと。そう言いたい気持ちはわかるよ。でもみんな精一杯だったんだよ、わかってよ。
ただ、まさにポケモンでいうとこの「効果はバツグンだ!」です。あんなゴツイ人たちが集団でやってきても越えられなかった壁。そんなすごい遺跡が博多や天神や空港から電車一本で行けちゃうの。地味にすごくないですか?
裏を返せば、それだけ九州の中心に近いところまでモンゴル軍が攻めてきてたってことです。冷静に考えるとちょっと怖いな。
あと、歴史に全く興味がない方も結構楽しめるはず。景色が良いので。あと多分ネコちゃんにも会えます。