漂流を続けるひょうたん型の島の上で、かわいらしい人形がドタバタ劇を繰り広げる。平日の夕方に放映されていたこともあって、当時の子供たちには大変人気だったそうな。
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実を言うと、この「ひょうたん島」のモデルについては様々な説があり、未だに決着がついていません。海に浮かぶ実在の島だとか、本当に架空の島だとか。マジでいろいろあります。
原作者の井上ひさしさんもお亡くなりになっているため、もう「ひょっこりひょうたん島」のモデルについて正確な情報を得ることはできない状況です。
そんな中、古墳マニアが新説を提唱するぞ。
題して、「ひょっこりひょうたん島、古墳説」。
改めて「ひょうたん型の島」を想う
ひょっこりひょうたん島とは
NHKでは1950年代から定期的に「人形劇」を放映してきました。そのうち、昭和期を代表する子供向け人形劇番組となったのが『ひょっこりひょうたん島』です。
ひょうたん島へ遠足にやってきた先生と子供たちを中心に繰り広げられる物語。コレは当時の子供たちをめちゃくちゃ魅了しました。今でいうアニメとか漫画みたいな立ち位置だったのかも。
そして物語以上に有名なのが、『ひょっこりひょうたん島』のテーマソングです。いっぺん聞いてみてくださいな。
「そういえばこの曲、小学校の音楽の時間で習った気がする」
そんな方も多いんじゃないでしょうか。
私事ですが、僕もこの曲が耳にこびりついて離れません。受験期など三日三晩ひょっこりひょうたん島の歌にうなさたもんです。許すまじひょうたん島。
でもさ、改めてひょうたん島のこと考えたら、なんかあのひょうたん型のシルエットって見覚えがあるんですよね。
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あれ、なんだっけ……!?
まさかの「古墳に似てる」
まずは再度、こちらの画像をご覧ください。
見紛う事なきひょうたん型。上から見ても横から見てもひょうたんです。この形の容器に日本酒を入れてお猪口に注いで飲みたいくらいひょうたん型です。
で、こちら、僕の大好きな「古墳(※前方後円墳)」のシルエットになります。お納めください。
アレ?なんか似てない?
たしかに、前方後円墳・前方後方墳のシルエットは「ひょうたん島」のそれに瓜二つです。ひょうたんだけに(うまいこと言わんでええねん)。
井上ひさしの故郷と古墳
他人の空似か必然か
「ひょっこりひょうたん島」と古墳の形が似ている。これは果たして偶然か、必然か。この謎を解くカギが『ひょっこりひょうたん島』の原作者・井上ひさしの故郷=現・山形県東置賜郡川西町にあります。
なんと、井上が生まれ幼少期を過ごしたエリア=小松地区には立派な古墳があるんですよ。
それがコチラ。「天神森古墳」と呼ばれる全長75mの(東北の古墳の中では大型の)前方後方墳です。
また、天神森古墳から少し離れた丘陵には、下小松古墳群と呼ばれる前方後円墳の密集地帯も確認されておりまして。
つまり、『ひょっこりひょうたん島』の原作者・井上ひさしは幼少期に古墳と密なかかわりを持っていた可能性が非常に高いわけだ……!
特に「天神森古墳」の周りにはお堀(周溝)が廻っています。まるで“島”のような感じ。
おお、つながってきたぞ。
当時、「東北に古墳はない」と思われていた
しかし、ここで強調しておかねばならないこともあってですね。
実は当時、「東北に前方後円墳・前方後方墳など存在しない」と考えられていたんです。今ではたくさん見つかってるんですけど、当時はそれが学界の常識だった。
すると当然、天神森古墳だの下小松古墳群だのも、井上ひさしが山形で暮らしていたころには「古墳」だなんて思われていなかったわけで。
ですから、「ひょっこりひょうたん島=古墳説」が仮に正しかったとしても、現実的には半分正解・半分間違いになっちゃいます。
真相としては、「ひょっこりひょうたん島のモデルになった地形がたまたま古墳だった」ってのが正解っぽいかな……?
奇跡の一致も
登場人物は死んでいる?
今回『ひょっこりひょうたん島』について探るにあたって、衝撃の事実を知りました。っていうのも、作品に登場する人形(=登場人物)はみんな死者らしいんです。
これは都市伝説ではありません。原作者・井上ひさしが講演会の中で確かに述べた事実です。
ただし、冗談めかしく言ったとか言わなかったとかさまざまな説が流布しており、情報は錯そうしています。まあ、死んでいると考えたほうがしっくりくる物語なんですけど。
古墳はお墓である
すると偶然にも、本記事で推測した「ひょっこりひょうたん島=古墳」と一致します。言わずもがな、古墳とは死者のための施設、いわばお墓だからです。
もちろん、当時の天神森古墳は古墳と思われていなかったわけですから、コレは偶然の一致に過ぎません。
それでも、『ひょっこりひょうたん島』の登場人物が死者であるとの事実と、「ひょうたん島」がお墓である古墳をモデルにしていた可能性。この一致率、身震いするほど面白くないですか?
信じるか信じないかはアナタ次第です!