愛知の赤味噌(豆味噌)は古墳時代が発祥?起源を探る【古墳と発酵】

文化

愛知・知多半島の味噌蔵

「愛知県のお味噌が“赤い”のは、一つには熟成期間が長いからです」

ここは愛知県の知多半島に位置する武豊町。武豊には、昔ながらの製法でお味噌を作っている味噌蔵がいくつか存在する。

立ち並ぶ木桶、なんともいえない独特の香り。老舗の醸造蔵らしい空気感が漂っていた。

「愛知県のお味噌は、ほぼ大豆だけで作られています。みなさんは“赤味噌”と呼びますけど、それはあくまで色の分類。原料で分類すると“豆味噌”です。そして、他の地域ではこの“豆味噌”がほとんど作られていません

ふむふむ。

 

一般的なお味噌のつくりかた

一般的な味噌は、お米と大豆を合わせて作る。最初はお米の方に“麹菌(こうじきん)”と呼ばれる発酵のスターターを繁殖させ、その後、大豆に混ぜこむ

お米に麹菌を混ぜ込んでいる様子

ゆでられる前の大豆

約1年ほど熟成させて出来上がるのが、「米味噌」「あわせ味噌」と呼ばれる種類のお味噌だ。お米由来のほんのりとした甘みと大豆からくる程よい旨味。そして、色は白〜うす茶色。これが日本で最もオーソドックスなお味噌である。

 

東海地方の「豆味噌」の特徴とは

しかし、東海地方で作られているお味噌は、原材料から製造法に至るまであらゆる箇所がセオリー通りではない

まずは大豆を蒸す。次に、その大豆を潰して“味噌玉”を作る。そして、そこに直接麹菌を繁殖させる。あとは菌のついた味噌玉と塩水を木桶に詰め込み、蔵で2〜3年ほど熟成を待つ。豆味噌を作る際には、豆以外の食材をほとんど全く使わないわけです」


超大型の蒸し器


味噌玉=豆麹を作る麹室


木桶で貯蔵・熟成されているお味噌。河原石の重しが載る。

大豆を蒸し、直接菌をつける。

愛知の赤味噌=豆味噌が持つ独特な色合いと風味は、豆以外を使わない製法と、2〜3年というかなり長い熟成期間によるモノだと判明した。

最後に、こうした独自の製造法のルーツについて尋ねてみた。

「それが、ハッキリしたことはよくわからないんですよ」

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