【必見】卒業旅行の自粛を考えているすべての学生へ

旅行記

「そんな……」

「これだけ我慢してきたのに……」

 

2021年2月2日、今年度卒業予定の学生からたくさんのため息が漏れました。

 

分科会が病床確保など7項目提言…卒業旅行・謝恩会の自粛呼びかけ
【読売新聞】 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は2日、緊急事態宣言の延長に伴い、さらに徹底・強化すべき対策について、7項目の提言を公表した。病床・医療従事者の確保や入院・転院の調整機能強化など、医療の逼迫(ひっぱく)への対応

 

↑の記事にある通り、専門家から「卒業旅行は自粛を」との呼びかけがあったからです。この提言を受けて卒業旅行をキャンセルした人は筆者の周囲にも大勢います。効果はバツグンでした。

とはいえ、一生に一度の機会を簡単に諦められるかといえばそうではありません。まだ卒業旅行に行く方法はあるはず……!

 

 

1.なぜ「卒業旅行」は自粛すべきなのか

マスクを外す場面は危険

そもそも、現在流行中の病気たる“COVID-19”は、“SARS-Cov-2”と呼ばれる新型のウイルスによって引き起こされるものです。その主な感染経路は「飛沫」。SARS-Cov-2に感染した人が口や鼻から出す水しぶき=飛沫に含まれるウイルスを、第三者が一定量吸い込んでしまうと感染が成立します。

裏を返せば、飛沫を浴びなきゃ自分の身を防御できるわけです。そこで、マスクをつけたり、人が集まっている場所や換気の悪い場所を避けたり、といった「飛沫を飛ばさない・浴びない」ための努力が必要になってくる。

「富岳」で新型コロナ飛沫の大量計算を実施、感染リスクはどこにある?
理化学研究所のスパコン「富岳」を用い、コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する飛沫の飛散シミュレーションが実施されている。理化学研究所が独自開発する流体シミュレーションソフトウェア「CUBE」による飛散シミュレーションの概要、注目すべき結果などについて、理化学研究所 計算科学研究センター チームリーダー/神戸大...

ただし、どうしても人が集まってしまう場面、マスクを外さなければならない場面は存在します。その1つが「会食」、つまり複数人でわいわい食事する場面です。

友達みんなでご飯を食べるときを思い返してみてください。お互いの距離は近いし、マスクは外すし、会話は弾むし……といった具合に、飛沫が近い距離で飛び交うことは避けられません。誤解を恐れずにいえば、いま、食事がいちばん危険なのです。

 

旅行の楽しい場面といえば……?

話を旅行の場面に移します。卒業旅行といえば、自分の仲間と①移動して、②おいしいものを食べて、③一緒に寝るものです。それが楽しいから旅行するわけですが、しかし、②と③の場面ではマスクを外すでしょうし、会話も盛り上がるはず。

つまり、旅行って「密」なわけです。グループの中に一人でも感染者がいれば、一気に全員がウイルスの飛沫を浴びることになります。ウイルス側からみれば感染を拡大させるチャンス。

なんていうんだろうな、性格悪いですよね。旅行の楽しい部分だけを削ってくる感じ。

 

「自分たちだけなら問題ないんじゃない?」

見出しのように、「別に自分たちの中で広がるだけなら大丈夫じゃない? 若者は症状が軽い場合がほとんどなんでしょ?」と考える方もいらっしゃるかと思います。

確かに一面的には正しい。ただ、症状の軽さ重さは人によって全然違うらしいってことも忘れちゃいけません。ほとんど無症状の人もいれば、軽症とはいえ40℃近い熱を出す人もいるとか。基礎疾患を有する場合など、20代でも重症→死亡のケースは起こりました。

Yahoo!ニュース
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さらにいえば、自分たちの中で感染を抑えられる保証はどこにもありません。一緒に旅行はいかなかったけど仲の良い友達や、家族にまで拡大させてしまう可能性は……。

家庭内感染 濃厚接触者の95%余 10日以内に発症 | NHKニュース
【NHK】新型コロナウイルスの家庭内感染のケースについて東京の保健所などが分析したところ、濃厚接触した人の95%余りは最初の感染者…

特に、大学を卒業して就職を控えている皆さんは、引っ越しの際など家族や友人の協力を借りることもあるでしょう。そういった方々に、卒業旅行でもらってきたウイルスを感染す可能性は十分にありえます。

身近な人が苦しむのってつらいですよね。しかも、病院のリソースがそがれている今の状況では、身近で苦しむ人が適切な治療を受けられない場合も考えられる。「自分たちだけなら大丈夫」じゃないので、やっぱり従来通りの卒業旅行は自粛一択です。申し訳ないけれど。

 

 

2.十分な対策をとった旅行なら?

以上のように、卒業旅行の楽しい部分マスクを外さなきゃいけない場面は重なってきます。それゆえ自粛が求められているのです。

とはいえ、ウイルスの性質を考えると、本当に避けるべきは「旅行そのもの」ではないこともわかります。旅行の中の食事・就寝前のおしゃべり、だけ(温泉旅行なら大浴場の利用時も注意!)。

したがって、わいわい話しながらの食事を徹底的に避け、就寝時にもマスクを着用し、お風呂も個々人で入るぶんにはそこまでリスクが高いわけじゃありません。

 

なのになぜ、「卒業旅行は自粛を」といわれるのでしょうか。

 

その答えは、「徹底的にルールを守れる人がそう多くないから」です。

繰り返しますが、旅行の中にはリスクの高い場面と低い場面が存在します。

リスクの高い場面を徹底的に避けられるなら旅行してもオーケーです。ホントは。

でも、仲の良い友達を目の前にして本当にリスクを冒さないことがあるでしょうか。マスクを外したくなる場面、そのうえで会話したくなる場面、ゼロにできるでしょうか。

正直、難しいですよね。だから、専門家の皆さんは「卒業旅行を自粛して」と言ったんです。「アレはダメ、コレはダメ」、とか細かく指定するよりも楽ですし、なにより我々若者が細かいとこまでキチンと守る保証はどこにもありません。

 

でも、この記事を読んでくれたみなさんにはまだチャンスが残っています。ずっと述べてきた通り、全部が全部ダメなわけじゃない。次のページでは、自粛しなくていい卒業旅行のかたちを提案します。

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