「一乗谷朝倉氏遺跡」の巨大な山城を訪問してみたら山道がヤバかった

歴史

一乗谷・山城の実態と「調査を求める声」

電車の時間が迫っていた関係で、山頂の山城についてはじっくり見学できませんでした。残念過ぎるでしょ(まあ登山を楽しんだってことで……)。

ただ、ちょっと見ただけでもスゴイのはわかりました。

 

山城の複雑な構造

ここまでの山道とは打って変わって、山頂とは思えないような平地が広がっているではありませんか。

そう、ここには建物が立っていたんです。その証拠がこちら。

建物の柱の基礎部分である「礎石」です。付近にはこのタイプの礎石が十数個も散らばっていました。すなわち、柱が十数本あるような巨大な建物が山頂にあった……!?

 

こちらは土塁堀切

敵の侵入を防ぐために土が高く盛られています。「登るだけでしんどいほどの山の上にこれ以上守りを固めてなんになるんだ?」と思ってしまうけど。

 

最後、斜面の一部が窪んでいるのがおわかりいただけるでしょうか。

こちらはおそらく「畝状竪堀」の一部です。窪んでいるところは他の斜面と比べて登りやすくなっているので、敵はそこをめがけてやってきます。そこを狙い討ちするらしいです(諸説あり)。

 

こんな設備が全長1.5kmにわたって続くそうな。

山頂にこんな巨大な要塞を作るのはすごく大変だっただろうなぁ。だって、元気な若者でも山麓から約1時間以上かかる山道を登らなきゃたどり着けない場所ですよ。

いろんな設備があったらしい

資材を運ぶとか。土を盛ったり削ったりとか。もしかすると、一乗谷の平地部分の城下町を整備するより大変だったかも……!

 

地面の下にはなにが?

地表に出ている部分だけでも十分スゴイお城だったことがわかる一乗谷城(山城)。すると、地面の下にはさらにスゴイ遺構・遺物が眠っている可能性もあるわけです。

しかしながら、山頂の山城については発掘調査が全く及んでいません。一乗谷の平地部分は発掘調査が進んでいる一方で、山城部分は測量調査のみに留まっています。

測量図

一乗谷って次から次へとスゴイものが出てくるので、調査にキリがないんです。担当者の方々は常に過去の調査(平地部分)の整理に追われているといいます。山城はアクセスも難しいので、どうしても後回しになってしまうのかもしれません。

もちろん、一乗谷の山城の発掘調査を求める声は非常に多く聞こえてきます。ただし、一乗谷山への登山にはとんでもない体力が必要で、場合によっては命の危険を伴うのも事実。

山城に対する発掘調査が進んでほしいのは山々ですけども(山城だけに)、まずは調査担当職員の方々の安全と意思を尊重したいところです。

測量されていない箇所にも怪しげな地形が

それでも「発掘しろ!」って言う人は一回登ってみてくれよ。生半可な覚悟じゃぶっ倒れるぞ。

 

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