私たちの「卒論」、コロナ禍でどうなっちゃうの!?~文系編~

インタビュー

大学4年生になると、卒業論文・卒業制作・卒業課題など、大学を卒業するためになにか学問的な成果を残さなければなりません。

このうち「卒業論文」は、自分で設定したテーマで研究を行って論文の形にまとめるものです。

しかしながら、今年度は当初からほとんどの大学で新型コロナウイルスの影響による休校措置(立ち入り禁止も!)が実施されています。授業はオンラインで、多くの学習・研究活動もストップしている状況です。

 

そう、つまり……卒業論文が書けない。

 

Our Local編集長の私コフンねこも今年で大学4年生。まさに影響を受けている世代の一人です。

この記事では、自分を含めた3人の文系大学生の「卒論が書けない!」悩みを一つ一つご紹介します。

O大学・コフンねこの場合(考古学)

必要な「モノ」を観察できていない

ぼくが大学で学んでいる考古学は、発掘調査などで土の中から出てきた「モノ」を頼りに人類の歴史を探る学問です。

例えば、土器・埴輪・金属製品・石製品……などが研究の対象になります。卒業論文を書くにあたって、これまでぼくは古墳時代のとある土器を対象に研究を進めてきました。

本来であれば、その研究にあたって実物の土器を細かく観察する過程が必要です。しかし、残念ながら、新型コロナウイルスの影響でここ3か月ほど全く土器に触れていません。

 

調査自粛要請と受け入れ中止

考古学の研究対象となる「モノ」は、自治体・博物館・大学などの公的な機関に一括で保管されている場合がほとんどです。

したがって、考古学の研究者(学生を含む)は、それらの公的な機関に自ら出向いて研究に必要な観察・調査を行います(=業界では「資料調査」と呼んでいる)。

だけど、今年度は状況が違いました。大学側も学生に対して資料調査の自粛を要請しており、公的な機関の側も考古学研究者の受け入れを中止しているんです。

そして、自分も資料調査に行きたくないのが本音です。自分が感染したり、相手に感染させたりするのは絶対に嫌。ただでさえ新型コロナウイルスへの対応に追われている公的機関の方々に「もしものことがあったら……」と思うと、行動開始できずにいます。

もちろん、資料調査を行って早く卒業論文を書き上げたいのは山々です。それでも、個人の都合で誰かに迷惑をかけることはできません。

結果として自分の思い通りに研究が進まず、毎日やきもきしています。

 

インターネットで情報を探し、通販で書籍を購入する日々

大学にも入れない、公的な機関に赴いて資料調査を行うこともできない(最近大学には入れるようになった)。すなわち、直接土器を観察することもできなければ、土器について書かれている論文・書籍を大学の図書館で探すこともできないわけです。

ただし、何もしないわけにはいきません。

そこで、インターネット上に転がっている論文や書籍を読むようにしています。さすがに全部の情報が集まるわけではありませんけど、何もしないよりはずっと勉強になるので。

特に、インターネット上で全国各地の『発掘調査報告書』が読めるのはありがたいです。

Comprehensive Database of Archaeological Site Reports Japan

残念ながらインターネット上で集められなかった論文や書籍については、通販で購入しなければなりませんでした(まあ、研究に使う本を手元においておけるのは最終的に役立つはず?)

だけど、やっぱり実物の土器が見たい。観察したい。そうじゃないと全然研究が進まない……!

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この記事を書いた人
コフンねこ

大阪在住の大学生。Our Local編集長・ライター・Web企画。古墳が大好きで、話し出すと止まらない。普段は魚を捌いたりラーメンを作ったりしている。お仕事依頼はTwitterのDMまたはkofun.neko@ourlocal-labo.comへ!

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