兵庫県の北側のまち・香住といえば、とにかくカニが有名です。特に、通称・香住ガニことベニズワイガニの水揚げが多く、毎年秋~冬には香住のカニが全国に運ばれて行きます。
でも、香住はカニだけじゃありません。そもそも、香住のカニが美味いのは「海」のおかげです。香住の魅力は「海」に詰まってるんです。
海水浴シーズンじゃなくても、カニが美味しい冬じゃなくても。香住観光で海を楽しむとっておきの情報をお伝えします。
駅からカニがお出迎え
兵庫県の北、日本海に面する漁業と文化のまち・香住へはJR大阪駅から特急「はまかぜ」で約3時間少々。瀬戸内海側から日本海側へと山をいくつも越える大移動です。
駅ではいきなりカニがお出迎えしてくれます。
かわいい。
きちゃったヨ……。
駅前は少し寂しげに見えるかもしれません。とはいえ、香住は漁業のまちです。海沿いに出れば家々や魚屋さん、よさげな飲食店や広い海水浴場が並んでいます。
ほんでよ、香住のメシってレベルが高ぇんですよ。
『かに八代 れんが亭』
『KANーICHI』
日本海の荒波に揉まれた海鮮。それを新鮮なうちに厳選して仕入れることができる。したがって、食材がバツグンに美味しい。
ハズレなしです。香住ではマジでどの店に行っても美味しいものが食べられます。
香住の海は景色もスゴイ
ある意味ここまでは当たり前の話です。海に近いまちなんだから、新鮮な魚介類なんてあって当然。
香住の観光ですごいのは、舌だけじゃなくて目でも海を楽しめるところでございます。
透明感とカエルの海
例えば、『国民宿舎 ファミリーイン今子浦』(2021年2月現在休館中)から晴れた日の海を眺めると……!
まるで映画のワンシーンじゃないですか?
緑と青のバランスが美しすぎます。どこまでも続く海の青と、晴れた日の空の青が遠くで交わるのもいい。
何を隠そう、当サイトのバーナー画像はこの風景です。
「遠くから見れば綺麗な海でも、近くで見ると微妙」みたいな“海あるある”も香住には通用しません。ほら。
透き通ってる。一点の曇りもない。ここは今子浦っていう夏には海水浴場になる場所で、奥に進むと、
カエルみたいな大岩が鎮座しています。めちゃくちゃでかいです。波の力だけでカエルの形が作れちゃうなんて。
コバルトブルーの海
香住の漁港から少し丘を登ると、『岡見公園』なる高台にたどり着きます。
意外と知られていない隠れた観光スポットです。坂を上らなきゃいけないし、ちょっとしんどいんだけど、本気で勧めさせてください。
岡見公園へ向かう道中もいちいち美しい。
海ってこんなに青かったんだ。宇宙から日本を見たら、香住の海だけが純粋な青なんじゃないかって思います。
ただ、岡見公園は別格です。
雄大な自然に脳がバグります。断崖絶壁に青く澄んだ波が押し寄せてくる。拡大してみましょう。
なんだコレ、宝石か?
「コバルトブルー」の意味を辞書で探したら、岡見公園から見える香住の海が出てきます。嘘です。でもそのくらい青く輝いてるんです。
ちなみに冬はこんな感じ。
この日は雨で、ちょっと陰鬱な雰囲気でした。コバルトブルーだった海は一転して黒く染まり、荒々しく白波を立たせる。冬の海もまた美しさというか、自然の恐ろしさを伝えてくれます。すげえよ。
香住の海はなぜ美しいのか
豊かな漁礁と美しい光景を有する香住の海。筆者は香住の海こそ日本一だと考えています。香住にはなぜこんなにも多くの海の魅力が詰まっているのでしょうか。
その理由はズバリ、地形にあるんです。
兵庫県北部から鳥取県・島根県・山口県北部まで続く山陰地方の海岸線は、その多くが「リアス式海岸」から成っています。
入り江が高い山で囲まれるような地形が連続しており、そのためギザギザとした海岸線が形成されている。それがリアス式海岸です。
そう! つまり、岡見公園のような美しい断崖絶壁は、まさしくリアス式海岸の一部なのです。
さらに、普段は目に見えない、海の中の地形もスゴイ。
香住の沖合にはグッと深い地点が広がっています。
名物のカニをはじめ、おいしい魚介類はそこで捕れるわけです。
香住を観光する際は、NHKのブラタモリ的な視点をもつと楽しいかもしれません。
P.S そんな香住の海についてもっと知りたい方は、『香美町立 ジオパークと海の文化館』に行っていただきたいです……!